小ざさの羊羹と最中は、わたくしの実父、伊神照男が生涯をかけて創造した、ひとつの芸術品です。もともとわたくしは父と違う方向、写 真の道に進んでおりました。しかし、「お前たちに何が出来るか」と、たえず圧力をかけられていました。つぶされるか、はね返すか、逃げ出すか------そんな葛藤のなか、よし、それなら、とカメラを封印し、餡を煉る「ヘラ」を持とうと決心しました。